事例紹介
縫製
15)メンズウエアのベテラン営業マンも知らなかったテラオエフの縫製技術
- ご依頼主
- アパレル縫製業界 ベテラン営業マン様
- ご依頼内容
- メンズファッションを百貨店ブランドレベルの縫製で仕上げて欲しい
- 喜んでいただいた点
- 1. 日本工場で手刺繍の細かいデザインを見事に再現してくれた
2. 高級メンズウエアを高品質で仕上げてくれた
3. 中国工場でも品質を落とさず縫製を仕上げてくれた - エピソード
- 転職をきっかけに、弊社の自社直結日本工場を認知
長年お付き合いする会社でレディースファッションの量産で取り引きいただいていたお客様がいらっしゃいました。
生産内容はカジュアルなレディースファッションで、弊社の中国工場にて生産していました。しかし、時代の流れでお客様の会社が倒産。もちろん手腕のある営業担当者様でしたので、すぐに新たな就職先を見つけられました。
ある日、そのお客様から新しい就職先からでの縫製依頼をいただきました。今回は今までとは少し違う固めの高級ブランド。必ず日本製であること。そして、複雑なディティールの手刺繍を施して欲しいとサンプル商品でのご希望でした。
さらには、展示会に間に合わせるために納期も短く「どこも引き受けてくれない」と、大変お困りの様子でした。かつては中国工場で高級カジュアルな手刺繍や手加工などがあるレディースウエアでの依頼ばかりだったので、日本縫製の固めのデザインは期待しておらず、ダメもとでのお電話だったようです。
ですが、元々子供服フルアイテムの国内縫製から始まった弊社なので、国内でのレディースウエアで細かい布帛刺繍は最も得意とする分野になります。また、長年お世話になった方がお困りということなので、自社工場の日本製で対応し社内でも技術のある担当者が夜遅くまで縫製に取り掛かりました。
縫製はプロ志向。減少し続ける国内メンズ縫製工場
機械では再現できないスキルが求められた細かいディティールですが、納期にも間に合い納品。
喜び勇んでお電話いただき
「こんな繊細なディティールは表現できないと思っていた」
「日本工場のレベルの高さに驚いた」と、
長い年月を経て弊社の縫製技術を認識していただけました。
その後、「これだけの技術があるならメンズウエアもお願いしてみよう」と、お客様のブランドのメーンである「メンズウエア」も任せていただきました。
近年日本の縫製業界においてメンズウエアを軸に置く縫製工場は減少し、メンズのパターンを専門に教える学校すら無くなったと言われています。 「パターンはレディースが難しい」 「縫製はメンズが難しい」 と、言われることも一理あると思われます。
レディースウエアはメンズより価格設定も幅広く、ランクに合わせて縫製工場もクオリティーを変え対応しています。百貨店でもフロア毎にレディースブランドのランクがあり、それに合った縫製工場が幅広く稼動しています。
しかしメンズウエアは、カジュアルなファストファッションと百貨店ブランドの二択と言っても大げさではない程、求められる縫製技術にも差が開いています。メンズの場合はデザインもシンプルだからこそ、素材のもつ質感や、艶や風格で勝負となってきます。
なので、流行にいち早く乗ることを前提としたファストファッションでは、「素材」や「縫製」の質が低下し技術がおろそかになりがちです。 弊社はレディースファッションを軸に置き、数多くの製品に携わっておりました。
その理由は、圧倒的にお客様からのニーズが多いためでした。比重はレディースには負けますが、かつて仕立て屋としてメンズの縫製も多く携わり、クイックに生産する技術と職人も揃っていたので自信を持って依頼を引き受けました。
「メンズウエア」での依頼は「縫製の品質を認めてもらえた証」と、社内でもモチベーションのアップにつながりました。
刺繍加工技術に再評価。管理能力スキルに信頼度アップ
それから、メンズ・レディース、日本製、中国製にかかわらず、継続してご依頼をいただいております。
「日本生産ではなく中国工場ではスキルが落ちるのではないか」と、初めは訝しい気な反応でしたが、結果的に百貨店基準をクリアした完成度の高い製品を納めることができました。
「テラオさんは中国でも作れないものはないね」 と、うれしいお言葉もいただきました。その背景に、弊社の「管理能力の高さ」が評価に繋がっているのではないかと考えています。
弊社の生産管理は高い頻度で中国出張をこなし、日頃から現地のスタッフとのコミュニケーションを図っております。納期で営業チームと板ばさみになることもありますが、企画もこなす程のファッションの専門知識で的確に日本から指示。
また、最終的に日本で厳しい検品をクリアしたものを納品していることが、ご依頼主様も納得のいく縫製につながったと感じております。